ピクシーダストテクノロジーズ株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役会長CEO:落合陽一、代表取締役社長COO:村上泰一郎、以下「PxDT」)は、PxDTが研究・開発するメタマテリアルを基にした独自の音響制御技術「iwasemi™」を活用し、住宅における外部騒音問題の解決を目指した実証実験を実施いたしました。本実験は、国内大手住宅デベロッパーの協力とアドバイスのもとで行われ、住環境の向上に寄与する効果を検証するものです。
実証実験の背景:長年の住環境課題である「音」問題に着目し、新たな付加価値の創出に挑戦
都市部でのマンション居住においては、交通や工事、繁華街の騒音が住環境に大きな影響を及ぼし、特に昼夜を問わず響く外部の音が住民の生活の質や健康に悪影響を与える長年の課題となっています。 今回、PxDTは、マンションを単なる居住空間としてだけでなく、心身の安らぎを提供する場としての価値を高めるべく、同社の独自技術であるメタマテリアルを基にした音響制御技術「iwasemi™」を活用し、国内大手住宅デベロッパーの協力を受け、マンションにおいて「音」に関する新たな付加価値の実現可能性を検証しました。
実証実験の成果:最大50%の騒音低減に成功し、住環境の向上に貢献
本実験では、空気を通しつつ音を遮断する音響メタマテリアル技術を活用し、窓を開放した状態でも通気性能を維持しながら、走行騒音に多く含まれている1000~2000Hzの周波数帯域を低減できるかを検証しました。その結果、通気性能を確保したまま、15~23dBの騒音低減に成功し、実験参加者からは「装置の有無による音の違いを体感できた。今後の可能性に期待したい。」といった評価をいただいています。
<実証実験概要> 実施内容: 大通りに面した東向き窓の室内側へ音響メタマテリアル遮音材を設置し、道路騒音など環境騒音の侵入抑制効果を検証。条件の異なる3日間を選定し、朝(8:00 - 9:00)、昼(12:00 - 13:00)、夕(19:00 - 20:00)の時間帯にわけ、音響メタマテリアルの有無による差異を測定。
実施成果: ターゲット周波数帯域(1000-2000Hz)において朝、昼、夜の時間帯それぞれで15~23dBの音圧低減を実現できており、1日を通してO.A値でも6~8dB音圧低減を実現できており、音響メタマテ材有り/無しで聴感上も有意差を感じることができました。 これはアルミ板(t1.2)を設置した際の遮音効果に相当し、通気しながらも、通常時と比較すると最大50%もの高い遮音性能を発揮することができました。
今後の展開:住宅向けの市場ニーズに先駆けたソリューション展開を目指す
PxDTは、今回の実証実験で得られた成果をもとに、「空気は通すが、音は通さない」遮音技術の住宅向け実装・提供を目指しています。目に見えない「音」の要素を遮音効果として可視化し、新たな価値として提供することで、市場ニーズに応える先進的なソリューションを展開します。 これにより、生活者には住環境の向上を、不動産業界には資産価値の保全に寄与する新たな価値を提供してまいります。
”空気は通すが音は通さない”遮音技術について
PxDTが開発した本遮音技術は、逆位相に散乱させる構造を持ったメタマテリアルを用いることで、入射した音波と逆位相の音波を生成し騒音を打ち消すことができるため、従来の技術では実現が難しかった「遮音性能」と「通気性」を両立することができます。主な特徴は下記の3つです。
1.高い「遮音性能」と「通気性」の両立
2.素材の選択自由度と加工自由度の高さ
3.柔軟な遮音帯域
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音響メタマテリアル技術を応用した独自の吸音設計技術 iwasemi™ について
iwasemi™(イワセミ)は、音響メタマテリアル技術にPxDT独自の吸音設計技術を応用することによって開発された吸音材です。iwasemi™吸音材には下記の3つの特徴があります。
1.吸音周波数特性の柔軟性
2.高い吸音率と薄型化の両立
3.素材の選択自由度と加工自由度の高さ
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